上に載せている写真は、私が撮った11年前の写真です。
この時はカメラの「カ」の字も知らなかった頃。
おそらくデジカメで撮ったものだと思います。
娘が生まれて初めての夏を撮ったもの。
きれいでもなんでもない日常写真。
我が家も某大手写真館で撮ったきれいな写真があります。
だけど、家族の間で話が盛り上がる写真というのは、“何気ない日常写真”なんですよね。
そして、子どもがいつも見ているアルバムもやっぱり日常の写真。
この写真に子どもたちが食いつく、食いつく。笑
なぜか、それは、今このお風呂はないからです。
お風呂をリフォームする前の昔のお風呂で撮った写真。
シャワーの位置も今とは逆の場所にあるし、何より後ろのドア、これ何であるん!?って感じです。
ドアの向こうには段ボールが積まれているところを見ると、開かずのドアですよね。笑
でも、私はここで暮らしていたから覚えています。
「昔はね、自動でお湯が出るわけじゃなくて、水道をひねってお湯を溜めていたんよ。
今はお湯がたまったら勝手にお湯は止まるけど、この時はお湯を入れてるのを忘れたら、温泉みたいにお湯が溢れててさ。
んで、お湯が冷めたらレバーをぐいって押して『ボッ』ってガスに火をつけてお湯を温めていたんよー。」
そんな思い出が蘇ってきて、子どもに話すことができるんです。
子どもも「へぇ〜、大変やったんやねー」なんて人ごとの感想を言っていましたが。笑
そんな会話ができるのって、やっぱり日常の写真ならではだなぁと思うのです。
自宅で撮った写真もいつまでも同じ姿であるわけではありません。
部屋の模様替えをしたり、プチリフォームしたり、はたまた引っ越しをしたり。
だから、引っ越す前の写真も貴重なものだと私は感じています!
ご自宅に伺って撮影する「日常撮影」では、私は極力指示は出さず、黒子に徹することが多いです。
いわゆるドキュメンタリー撮影という部類に入るのだと思います。
それは、ご家族の雰囲気を壊さず、なるべく「いつもの家族の姿」を残したいからです。
例えばこの写真なんかも、「赤ちゃん見ながら笑っててね」と私が指示を出していれば、こんな自然な写真って撮れなかったと思います。
ましてや、上の子が下の子の肩を抱いて、寝ている赤ちゃんに話しかけるだなんて。
きっとこれが普段の家族の姿。
だからこそ、私は自分の家族の写真を撮る時でさえも、だま〜ってしれ〜っと撮影しています。
つむぎの日常撮影では、3時間という長時間、ご家族に密着して撮影しています。
初めは緊張しているお子さんや人見知りをしているお子さんも、緊張は最初の30分くらいまででしょうか?
緊張したり、人見知りしたりすることに飽きて、だんだん素をみせてくれるようになります。
だから、パパやママは無理に緊張を解こうとしなくても大丈夫です。
お子さんは初めて会うカメラマンとの距離を、自分なりに測って大丈夫か確認しているので(^^)
「日常」なのだから、ずっと笑顔でいる必要もありません。
いつも通りでいいんです。
私のことは透明人間くらいに思っててくれたら大丈夫です。
「いつもの日々」が一生の思い出になる日がやってきます。
「私たちはこの家でこんな風に暮らしていたんだな」って思い出話あふれる写真を一緒に残しましょう。
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大江香子